解散などの登記   司法書士業務

 
 会社などの法人が解散する原因には、存続期間の満了や株主会議での決定など、いくつかのパターンがありますが、原則として、いずれの場合も、解散後、財産の処分や債務の返済などの「清算」が完了するまでは、まだ消滅はしません(吸収合併により解散する場合など一部の例外を除く)。
 解散後、清算が完了するまでの状態を「清算会社」「清算法人」などと呼び、清算行為に最低限必要な組織で、清算に必要な活動のみをすることができる法人として存続し、商業登記にもそのように記録されます。
 このため、解散した後も、以下にご紹介するような各種の登記申請(いずれも株式会社を例にしています)が必要となります。この場合の申請人は「代表清算人」となりますが、解散前の代表取締役がそのまま代表清算人となることも多いです。
 なお、「破産」によって解散した場合は、裁判所や破産管財人による「破産手続」に入るため、事情が異なります。この場合、解散の登記は裁判所が行います。
 
解散の登記
 解散の事由が発生した日から2週間以内に申請しなければなりません。この時の申請人はもう代表取締役ではなく「代表清算人」となりますので、通常は、次に述べる「清算人・代表清算人の登記」も併せて申請します。
 解散をした株式会社は、遅滞なく、2か月以上の期間を設けて、債権者に対して債権を申し出るよう公告・催告をしなければなりません。
 
清算人・代表清算人の登記
 「清算人」「代表清算人」の役割は、解散前の「取締役」「代表取締役」と同じようなイメージですが、選任の方法が異なります。誰が清算人となるかは、優先的な順に
  (1) 定款で決めた人 → (2) 株主総会で決めた人 → (3) 法定の人 → (4) 裁判所が決めた人
 となります。(ただし、裁判による解散命令などの場合は、はじめから裁判所が選任する。)
 代表清算人の決め方は、清算人会で議決する方法や、定款に基づく互選による方法などがあります。
 なお、清算株式会社に特有の登記は、登録免許税が安く設定されており、清算人の就任登記は9,000円です。
 
清算中にする登記
 清算中の会社には、置くことのできる役員が限られたり、認められない行為(例えば、自らが存続する形での吸収合併など)があるなど、様々な制限が生じますが、清算に必要な活動として解散前と同様にすることができる行為も多く、例えば本支店の移転や募集株式の発行などは可能なので、これらを行った場合は、通常どおり2週間以内に登記をしなければなりません。
 また、清算人・代表清算人に変更が生じることもあり、この場合も登記が必要です。清算人・代表清算人のみの変更は、やはり他の役員の変更に比べて登録免許税が安く(6,000円)なっています。
 
継続の登記
 一度解散した株式会社であっても、株主総会の決議によって再び継続(復活)できる場合があります。ただ、この場合は、解散によって抹消された役員や機関などを再び創設する形になるので、継続の登記と併せて、それらの役員就任などの登記を改めてする必要があります。
 また、株式会社の場合、最後に登記を行った時から12年が経過すると、一定の手続を経て「解散したとみなされる」ことがありますが、この「みなし解散」の状態になると、登記官が職権で解散の登記をしてしまうため、登記記録上、通常の株式会社に戻すためにはやはり継続の登記が必要となります。(なお、株式会社は役員の任期が最大でも10年で、12年間全く登記をする必要が生じないということがあり得ないため、このようなしくみになっています。ご注意ください。)
 
清算結了の登記
 すべての債務の返済と財産の処分が終わり、その旨の決算報告書が株主総会で承認されると、「清算結了」とされ、会社にとって最後の登記である「清算結了の登記」を行うことができます。
 清算結了の登記がなされると、その会社の登記記録は閉鎖され、これをもってその会社は完全に消滅することになります。これ以後、もしその会社に対する債権を有するという人が現れたとしても、会社に請求することはできなくなります。このため株式会社の場合、最初の清算人が就任してから、前述の債権者に対する公告・催告期間である「2か月」が経過していないと、清算結了の登記は受理されないことになっていますので、注意が必要です。
 
 

ご用意いただくもの
 (解散・清算人の登記)
 
 (清算結了の登記)
 
 
費用
 (解散・清算人等の登記)
       
料金(報酬) 31,300円〜
登録免許税 39,000円 
 
 
 
費用
 (精算結了の登記)
       
料金(税込) 22,300円〜
登録免許税  2,000円 
 

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